Amanda Trees ”Amanda Trees” lp

以前紹介したLinda Cohenと同じPoppyからの女性フォーク・シンガー、アマンダ・トゥリーズの70年代初頭の恐らく唯一の作品。アシッド・フォーク・ファンには知られた一枚ですが、多分評価は一定しないのでは。よくアシッド・フォークってなんだ?ってレコード屋ではたまに訊かれるのですが、ごく大雑把に説明しましょう。もともと民衆という意味もあるようにフォーク・ソングは、みんなで歌おうよ、とか、こんな事が昔あったんだよ、というような社会的なつながりを求める外向きなコミュニティー音楽。アシッド・フォークっていうのは、これとは逆に、自分に向かって深く歌いこまれるようなパーソナルなひきこもりタイプの音楽。必然的に自作が多いいです。アシッドというのは、まあサイケデリックの事で、サイケデリックというのは、精神の探求なわけで(まあ、薬の助けを得て、探求していたわけですが)つまり、精神の探求型のフォーク・ソングということになりましょう。有名なところで、Fred Neilとかが挙げられますが、先に進みましょう。このアマンダもそのタイプとして括られていますが、実際はなんといえばいいのでしょう。非常にナイーヴな感性をもった女の子による歌とギター。大衆向けの音楽ではなくて、一部の人にあてた手紙のようなレコードというか、波長が合う人にだけ聞こえてくるとでも言える作品。まあ、音を聞いてみてください。この子、ずばり変わってますね。水森亜土ちゃん的なボーカルといい、80’s的にいえば不思議系です。なにせ彼女、とっても恐竜時代が大好きなんです。一曲目はズバリ、恐竜時代に戻りたい、という歌。最初のプーンという音はタイム・マシンに乗って時代を遡っているところと解釈しております。恐竜よ、よみがえれ!とまで歌っております。そして、2曲目、「わたしの緑の指輪」は、氷室冴子ちっくな歌で、化石とか鉱物が売っているお店で初めての彼氏と出会い、そこで、緑の指輪を買い、その彼氏と別れることになる日の朝に、変な夢を見て起きると、自分の緑の指輪が真っ二つに割れていたという話しの歌。とまあ、歌詞はこんな内容なんですが、戦前ブルースを研究したようなモーダル・ブルース的なギターも素晴らしく、とにかく聴けば聞くほど、謎は深まり、そしてほだされていくのです。他の曲もどこか厳しい自然界を彷彿させるようなナンバー等もあり、非常に味わい深いレコードなのでした。こういう不思議な力があるレコードってほんと少ない。

冒頭のウィーンという音が最高~。のび太の机の引き出しから出発したみたいな感じ。

トゥトゥトゥトゥ~ジャカジャカジャカ、ジャンジャン

Hills and Stairs

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